このように考えると、1〜3教室位の規模の塾の「合格実績」は信じるに値するものであるかのように思われますが、
そこにも落とし穴があります。母集団が少人数であるため、年度ごとに生徒の成績・在籍中学校・志望に偏りが生じ
ます(少人数の生徒を対象にしているため致し方のないことです)。そのため、例えば前年度の合格実績だけでは、
その塾の指導能力を測定することが不可能なのです。
大手塾の指導はある程度マニュアル化されている(そのための独自テキスト、統一カリキュラム・社内研修)ため、講師
個人の能力の大小が直接には授業に反映されません(講師の能力に対する依存度が低い)。一方、ほとんどの中小塾は、
大手塾とは対局で、授業は講師の能力にのみ依存しています。ところが、「合格実績」の中には、講師の異動や退職の
ため、現在教えていない講師(その講師が特に優秀だったりする)による実績もそのまま含まれています。そして、なか
には8割以上の講師が他塾に移ってしまったにもかかわらず、恥ずかしげもなく過去の栄光をかざして生徒募集をして
いる塾もあります。
このように見てきますと、結局、塾の「合格実績」を鵜呑みにしてはいけないことが、お解りいただけると思います。
では、どこに注意してどのように「読む」のか、以下に箇条書きで記します。
大手塾の合格実績の「読み方」
- 卒業者の人数が記されていたら、合格者数を卒業者数で割って、パーセンテージを出す。
- 教室数がわかれば、合格者数を教室数で割って、1教室あたりの合格実績に置き換える。
- 合格者名簿が入手できるなら、重複合格を調べる。→1人の生徒が5校位実績を稼いでいる場合も多い。
- 卒業した学校名がわかるなら、当該教室の卒業生の進路が推測できる。
- 入塾テスト実施していて、希望者全員入塾制でない場合は、実績が良くて当然である。
- 実績が、難関上位校や中堅校位までしか記載されていなかったら、それ以下の高校に進学する生徒は、
その塾にとって、授業料を毎月払ってくれる大切な「お客様」で、「生徒」ではない。
- 根拠のない合格者の水増は、見破れないことを、頭の片隅に。
中小塾の合格実績の「読み方」
- 中小塾の合格者数自体は、誤魔化しが利かないから信用しても良い。
- 前年度実績を、単年度で掲載していない場合(「過去○○年度分」などの記載)前年度は実績が悪かったと考える。→
在籍生徒の偏りが原因の場合もあるが、優秀な講師が辞めた可能性も高い。
最近では、当塾のように、広告では概略のみを公表し、詳細をHPで公表している塾もあるので、
広告にURLが記載されている場合は、必ずアクセスすること。
- 記載年度の講師が現在も在籍し、講義をしているのか、情報を集める必要がある。
- 前年度分だけでなく、過去数年間の累計が表示してある塾なら安心だ。→「大手塾との比較・受験傾向の検討」を
してもらうために塾は記載している。
- 所謂「難関上位校」合格者数が過去5年に複数(できれば2桁)あれば、指導能力に問題はない。
- 中堅校以下の記載をしていない塾は、大手と同じように「お客様」扱いかも。
- 合格校がバラエティーに富んでいれば、進路指導が行き届いている証拠だ。
→進学校の研究をしない塾<実は、これが非常に多い!>は、
偏差値によるパターン通りの進路指導しか行えない。